ここではチタンについての一般的特徴について説明します。
チタンの重量は、鉄と比べおよそ6割程度で比較的軽い金属となります。
各種金属-比重データ
材種 | 純チタン (TP340) | チタン合金 (6Al-4V) | 普通鋼 (SPCC) | ステンレス鋼 (SUS304) | アルミ合金 (A5052P) | マグネシウム (AZ31) | 銅 |
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比重 | 4.51 | 4.43 | 7.86 | 7.9 | 2.8 | 1.77 | 8.93 |
チタンとの 比較 | — | 1倍 | 1.74倍 | 1.75倍 | 0.6倍 | 0.4倍 | 2倍 |
※数字は参考値となります。
比重で比較すると、鉄より軽く、アルミより重いことがわかります。
比重は体積当りの重量を表し、上記は同一体積での重さの比較を示す。
引張強さでは、チタン合金は普通鋼のおよそ3倍となり、機械的強度に優れ、
また耐食性では酸や塩水に対して安定で、強い耐食性を有します。
各種金属-引張強さ・比強度の比較
材種 | 純チタン (TP340) | チタン合金 (6Al-4V) | 普通鋼 (SPCC) | ステンレス鋼 (SUS304) | アルミ合金 (A5052P) | マグネシウム (AZ31) | 銅 |
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引張強度 (N/mm2) | 393 | 999 | 315 | 588 | 212 | 250 | 213 |
引張強度の 比較 | — | 2.5倍 | 0.8倍 | 1.5倍 | 0.54倍 | 0.64倍 | 0.54倍 |
※数字は参考値となります。
引張強度を比較すると、チタン合金が非常に高い強度を持っていることがわかります。
材種 | 純チタン (TP340) | チタン合金 (6Al-4V) | 普通鋼 (SPCC) | ステンレス鋼 (SUS304) | アルミ合金 (A5052P) | マグネシウム (AZ31) | 銅 |
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比強度 | 87.1 | 225.5 | 40.1 | 74.4 | 75.7 | 141.2 | 23.9 |
比強度の比較 | — | 2.6倍 | 0.46倍 | 0.85倍 | 0.87倍 | 1.62倍 | 0.27倍 |
※数字は参考値となります。
比強度とはここでは重量比強度を指し、同一重量での引張強さの比較を示します。
比強度でもチタン合金が優れており、軽さの割りに丈夫な金属であることがわかります。
チタンは金属アレルギーを起こしにくく、
生体親和性が高いため、人体内に使用しても悪さをしない性質となっています。
鉄に比べ、熱伝導率が小さいため、触った瞬間ヒヤっとしないのもポイントです。
材種 | 純チタン (TP340) | チタン合金 (6Al-4V) | 普通鋼 (SPCC) | ステンレス鋼 (SUS304) | アルミ合金 (A5052P) | マグネシウム (AZ31) | 銅 |
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熱伝導率 (w/m・K) | 17.0 | 7.5 | 60.4 | 16.0 | 137.0 | 159.0 | 385.0 |
熱伝導率の 比較 | — | 0.4倍 | 3.6倍 | 0.9倍 | 8倍 | 9.4倍 | 22.6倍 |
※数字は参考値となります。
チタン合金の熱伝導率が小さく、熱の移動がおきにくいことを示しています。
また純チタンとステンレスの比較では大きな差がないこともわかります。
しかし下記に示すように容積比熱ではステンレスよりも純チタンのほうが値が小さく
より少ない熱量で温まりやすく、手から熱が奪われにくいと言えます。
材種 | 純チタン (TP340) | チタン合金 (6Al-4V) | 普通鋼 (SPCC) | ステンレス鋼 (SUS304) | アルミ合金 (A5052P) | マグネシウム (AZ31) | 銅 |
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比熱 (J/kg・K) | 0.519 | 0.585 | 0.460 | 0.502 | 0.961 | 1.004 | 0.385 |
容積比熱 (J/m3・K) | 2340 | 2591 | 3615 | 3965 | 2690 | 1777 | 3438 |
容積比熱の 比較 | — | 1.1倍 | 1.5倍 | 1.7倍 | 1.1倍 | 0.7倍 | 1.4倍 |